朝、起きてケータイを開いたら、真夜中にメールが1件きていた。
From:御柳芭唐
Sub:起きてるか?
今日久々に物理の授業出たらセンコーが煩くって
しょうがなかった。
出ただけでも褒めてくれっつーの
短い文はいつも通り横柄な態度で書かれている。
時々、デートのお誘いや日記感覚のメールが御柳君から届く。
デートの場合は軽くあしらうが、普通のメールだと結構沢山返信
し合って盛り上がる。
今日は随分遅い時間に来たなと思いながら
返信ボタンを押して、メールを打った。
From:
Sub:先生に同情。
昨日は雨だから授業に出たんでしょ?
でも授業で眠くなるのはよく分かるなあ。
私もこの間、寝ちゃって友達に平手で起こされた(==;
送信画面に送信されましたの文章が出たのを確かめて、
朝のランニングでゴン太と一緒に走ってきた。
帰ってくると同時に、ケータイに新しいメールが届く。
From:御柳芭唐
Sub:だろ?
雨だと外出る気なんねーし、部活は筋トレと
走りこみばっかだし嫌な事ばっか。
雨の日くらい部活中止にしてくれって。
From:
Sub:それは危ないよ。
それ、菖蒲監督の目の前で言える?
From:御柳芭唐
Sub:無理。
んな自殺行為できるかっつーの。
監督、ある意味校長より発言力強いんだぜ?
だからあの仮面の中身誰も知らねえんだ。
「そうか、華武の校長先生ですら菖蒲監督の素顔知らないんだ」
知れば知るほどあの人謎が深まるなあ。
ボタンを押すリズムに慣れ、
学校の休み時間にもメールを返す。
「ちゃん今日はずっとケータイ打ってますね」
「朝から御柳君とメール続いちゃっててね。
あ、これ犬君と辰君には内緒ね?」
人差し指を唇に押し付けて凪に言う。
凪はくすくす笑って了承の頷きをした。
From:御柳芭唐
Sub:おひさ〜ちゃーん\(^^)/
ミヤは今遅刻の罰で屑桐さんの五光と帥仙さんの
スクリュ―ダイバー30連発の刑中気。
そっちは授業終った??
From:
Sub:録さんですね?
はい終りました。十二支はロードワーク終って
グループ練習の最中です。
From:御柳芭唐
Sub:冷やっこいング
走りこみは最初寒くて嫌だな゛ぁ〜。
また寒くなってきただから風邪引かない様に暖かくするング。
「録さんと白春さんにまだケータイ取られっぱなしなんだ」
部活が終ってからまたメールが再開される。
From:御柳芭唐
Sub:おい!!
なんだこれ!?フォルダに知らねーメール20は入ってんぞ!?
久芒さんと録先輩と何してんだよ!!
From:
Sub:お疲れ様。
今日は基礎トレの後は部室で資料整理の日だからケータイ
に触れるの多かったから。
ケータイ定額であることを願うよ。
From:御柳芭唐
Sub:定額だけどこりゃねーだろ。
そういやあ再来週の土曜こっちは午後から休みなんだけどよ、
どっか遊びに行かね?
「懲りないね」
カチカチボタンを押し、メール編集画面が現れる。
From:
Sub:ダーメ
私達は休みじゃないの。
またメールするからそれで我慢してね。
「またフラれた」
今か今かと待ち構えていた返信は想像通りに希望を打ち砕いた。
「ッチェ、こんなチンケな文字で満足できるかってーの」
世の中は甘くできていない。
それでも、ケータイでの会話は微糖程度の幸運
はもたらしてくれている。
++コメント++
黒蝶ヒロインで御柳夢でした。
あんまり糖度は高くないですが、如月様これで
よければお持ち帰りして下さい。
BY紙屋