ドリーム小説


100000HIT 海水浴








ザザッ
細かな砂を蹴り、赤い旗のついた棒を握り締めた。

「GET!」「くっそぉ!」

「旗取りレース虎鉄vs猿野は虎鉄の勝ちばい」
「兄ちゃん振り向く時砂に足取られたでしょ。
ださーい」
「こんなカモシカみたいに細い足首じゃ明美、殿方
なんかに勝てないわん」
「海パンで気色悪いことすんNa!!!」ドガッ
あわ立つ二の腕を擦りながら虎鉄は猿野を足蹴にした。

今日は十二支野球部と文芸部合同で海水浴に着ていた。
理由の方はよく分かっていないが、文芸部は毎年恒例
の部活合宿らしい。

「ートウモロコシとガリ●リ君(ソーダ)どっちが欲しい?」
「ガリ●リ君欲しいです。
ありがとうございます部長」

はパラソルの下に畳んでいたパーカーを羽織った。

「旗レースの賭けで負けたんだ。
つーかこんな安物でいいのか?
鹿目なんか一宮にカレーと牛乳とイチゴのカキ氷なんて
腹壊さないか心配な程要求してたけど。」
「あれでお金ないのは知ってますよ」

がそう言って指差した方向には駐車場…そして●イダー
じみたフォルムのバイクが一台紛れていた。

「バイク本体+改造費諭吉が3桁の超こだわりの一品だ」
「その捻出先がどこなのか気になるところです」

氷の塊に齧りつき、喉が潤っていくのを実感する。

「蛇神先輩と牛尾先輩は遠泳競争でまだ帰ってこないんですよ。
一応子津君が帰ってくるかどうか見ててくれてますけど」

いつの間にか海原には影すらも見当たらなくなっていた。

「あいつ等は誰もが認める超人だからな。
30分くらいで戻って来るだろ。
は泳がなくていいのか?」

「泳ぎましたよ。とい一緒に、は今はちょっとだけ
騒ぎ疲れて休んでます。
あ、外所先輩と唐澤先輩は使い捨てカメラ使い切って新しいの買い
に行ってます。
小野関先輩と伊藤先輩は犬君と司馬君と辰君と獅子川先輩と一緒に
ビーチバレー大会で女の子の黄色い声援を浴びてます」

背が高いの揃ってて辰君のカバーが上手いからザッコザッコと勝ち
あがってる。優勝商品が和牛セットだったから夕飯は豪華なバーベ
キューかもしれない。

「んで下重は日に当たるのが嫌で夜摩狐さんと柿枝さんと一緒に鍾
乳洞探検ツアーだっけか。皆が皆てんでバラバラだな」
「でもそれでいいんじゃないですか?
皆楽しそうです」

暑さで溶けてきたアイスの汁が手に付く。
アイス棒を反対の手に持ち替えて自分の舌でなめ取った。
石坂はトウモロコシを芯だけにしてそれをダンボールのゴミ箱に投
げ捨てた。

「あー食った食った。んじゃ俺等は何すっか」
「鍾乳洞行くには時間的に辛いので、選択肢は
泳ぐかビーチバレーのどっちかですね」

「んじゃ」
1泳ぐか。 
2ビーチバレーに参加するか。 

































選択1牛尾・蛇神・子津・もみじ 



「お、と石坂先輩。あんた等も泳ぐ?」
「海に着たなら泳がなきゃ損だって。
なんならもみじ競争する?」
「いいねえ!今蛇神先輩と主将が競争してっから次やろうぜ!」
「で、その蛇神と牛尾がどこにも見当たらないぜ」
「あっちです」

もみじは沖の先にある小島を指差した。

「……2Kmはあるな」
「子津がリターンの監視してっから俺はスタートとゴール担当っす」
「往復4km。奴等は野球じゃなくて水泳でも全国狙えるな」
「あ、戻ってきました」

波と一緒に2つの飛沫が浜へとせまってくる。
……他のお客さんが怯えさせるほど、本気で競争しないで下さい
お二方。

ザザザという波音と一緒に金髪と黒髪…牛尾先輩と蛇神先輩
がゴールラインを超えた。

「主将ゴール!蛇神先輩ゴール!」

もみじは手を振り上げて牛尾先輩の勝ちを告げた。

「有無。我もまだまだ修行が足らぬ」
「そんなことはないよ蛇神君。リターンするときのあの回転
速度はまるでサメの様にするどかったよ」

牛尾先輩と蛇神先輩は海から上がって、軽く手を上げて
私達に挨拶し、こちらにやってくる。

「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様っす!」
「白熱競泳だったな…っと、子津も戻ってきたみたいだぜ」

石坂に言われてまた海をみると、マイペースに泳いで
戻ってくる子津を発見した。

「子津君お疲れ様。小島はどうだった?」
「ちょっと岩がごつごつしてて、海の小さい生き物が
たくさんいたっす。
弟や妹にみせてあげたかったっすね」
「ちっちゃい子ってそういうの好きだもんねー」
「おーい泳ごうぜ」
「ちょっと待ってー!」

ともみじ、子津の1年組がはしゃいでいる少し
先で、3年組達は微笑ましげにそれをみていた。
少し時間を置いてから。

「あ…」
「どうした牛尾?」

牛尾は小さく声を出した。
蛇神は不審に思い、声をあげた内容を問う。
牛尾はちょっと悩んだ顔で空を見上げた。

「そういえば、監督がいない」

「「あ」」



「姉ちゃんビールもう一杯!」
「お兄さん海に来て飲みすぎだよ」


羊谷、監督失格。



end

























選択2犬飼・司馬・辰羅川・獅子川・小野関・伊藤 


「獅子川!」
「おうよ石坂。俺の撃つアタックに打ち抜かれッな!!」

石坂がトスを上げ、獅子川にアタックを任せた。
獅子川はタイミングバッチリでビーチボールを打った。

「残念っ!」

が鋭いアタックを拾ってビーチボールを大きく上げた。
しかし、大の男の打ったアタックの力を流し損ね、
ビーチボールを後ろに逸らしてしまった。

そこに司馬が回り込み、トンッとビーチボールを
ネット近くに戻す。

「司馬君ナイス!犬君レッツゴー!」
「ふっ!!」

犬飼が勢いをつけてアタックし返そうとした、が。

「ほいよっと」

伊藤がネットブロックに成功して、ビーチボール
は砂浜に落ちる。


「そこまで!30-25でAチームの勝ち!」
「負けたBチームの方が後片付け決定ですね」


審判をしていた辰羅川と小野関がそう宣告すると、
Bチームの犬飼、司馬、はがっくりと
方を落とした。

「伊藤先輩、ちゃっかりしてるな」

犬飼はネットの紐をほどき、ネットの先をに渡した。
司馬は反対側のネットの先を持ってきて、くるくる
巻きながら、犬飼に同意するよう頷いた。

「(コク)」
「部長はともかく、伊藤先輩運動神経いいとは思わなかった」
「今さりげなくに毒吐かれた!?」

伊藤がショックを受けているところに、小野関が
ぽんっと肩を叩いて慰めた。

「おーいそろそろ帰る準備しとけー」

伝令を任されたらしい高崎がそう声を出しているのを聞いて、
文芸部部員と野球部部員はそれぞれ体に染みていた潮の香り
を落とし始めた。



「結局遊んで終っちゃいましたね」
「ま、そういう思い出が出来て良かったんじゃね?」





END




+*+コメント*+*


月様からのリクエスト。黒蝶伝説で海水浴でした。
マジで遅れてすみませんでした月様―――!!!