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ただ今監督に十二支との練習試合の交渉中。

「無理故」

一刀両断の回答が返された。

「そこを何とか!午後の紅白戦を練習試合にして
もらえませんか?」
「かの高校と試合をしてこちらの有益になるとは思えぬ
故却下する」
「私へのご褒美だと思って!」
「ではには我推奨の大福を渡そう」
「欲しいけど今はいいです」さんずいぶん粘ってますね」
「何かあったのか?」

脅されてるんですよ!帥仙先輩に墨蓮君!!

でもそんな事はいえないのでは必死に交渉を続ける。
流石に監督も押されてきたのか、少し考えるそぶりを
見せ始めてきた。

「ふむ、ではこの提案を受け入れる場合のみ試合をしよう」
「それでいいです!ありがとうございます監督!」




そして練習試合当日。
十二支は華武高校正門前に集まっていた。

「羊のおじちゃん全員そろってる?」
「おう。案内頼むぜ」
「了解。私他にもやる事あるから備品壊したり部員と騒動
起こしたりは絶対勘弁ね。
あ、皆さんこんにちは。この間ぶりです」

は軽く頭を下げて十二支野球部に挨拶した。

「こんにちは〜僕兎丸比乃っていうんだ。それでこっちは
司馬君同じ1年だよ。よろしくね」
「こちらこそよろしく兎丸君、司馬君」
「ねね、ちゃんって黒蝶なのかって司馬君が聞いて
るんだけど」
「え!?司馬君ってソフト関係者?」

驚いて司馬君を凝視してしまう。

「(フルフル)」
「司馬君恥かしがり屋さんだからあんまりしゃべらないんだよ」

兎丸がそう教えてくれては分かったと頷いた。

「口パクしてもらえれば分かるから声出さなくても平気だよ」
「(ビデオで見たことあって、卍戦とそっくりだったから)」
「成程、うん私が黒蝶って言われてた人間だよ」
「(今日は、試合出ないの?)」
「監督の気分次第だね」
「おッいマネージャーさん。このバットこんなに折れちまッて
どーやって折ったんだ?」
「それは今月練習中に折れてしまったバットです。
普通は1万打くらいは耐えられるのですが、うちのピッチャー陣
の球だとそこまでもたなくて」

の回答に息を飲む。
それは練習量とそこまで強い球が投げられる証拠。

「華武は強いですよ。王者としての義務をしっかり理解
してますから」

それは、えこひいきとかそんなものでなく、事実。

「こっちの練習場が試合場所です。私は用事がまだあるので
ここで失礼します」

はにこっと笑ってきびすを返して歩いていく。



14

「うわ〜思ったより遅れちゃったよ。皆どこにいるかな」

部室へ走り、角を曲がったところで言い争い中の御柳と
犬飼+辰羅川を発見した。

「あいつはとんだ大ぼら野郎だ。さっさと忘れるこったな」
「黙れ殺す!殺してやる!!」
「犬飼君落ち着いてください!」

え〜と、内容がまったく掴めません。

「、何をしている」
「それは私が聞きたいです。あの人達って十二支ですよね?
御柳君と何かあるんですか?」

屑桐がに気づいて疑問符を頭に浮かべてそう聞いた。
でもどっかでみたことのある気がしなくもない…あ。

「トリアエズ君の飼い主だ!」
「「「「「はあ?」」」」」

のいきなりの一言に犬飼と辰羅川、御柳までひっくり
返った声がでてしまった。

「貴女、黒蝶のさん」
「何でトリアエズのこと知ってんだ?」

辰羅川がソフトの時のあだ名をつぶやき、トリアエズの
飼い主の犬飼は当然の疑問を投げかけた。

「夕方に犬の散歩してた時にお姉さんに会って仲良くなったの。
前トリアエズ君の子犬の時の写真見せてもらってそのとき抱き
上げてた人が弟だって言ってたから」

「姉貴のヤツ…」

脱力する犬飼は御柳への怒りはどこかへと去ってしまったらしい。

「、そんな負け犬に構ってんなら俺に構えよ」
「子供じゃないんだから一々くっつくな!」

は肩に手をかけようとする御柳の手のひらをつねる。
手のひらに息を吹きかけてるので地味に痛かったらしい。

「はいはい皆さんはさっさかすることしちゃって下さい。
あ、それと十二支の人達はこの道右曲がってまっすぐの
グラウンドにいるからね。
今日はお互い頑張ろ。じゃあまた後で」

てきぱきとその場を蹴散らすように片付けて、は
そのまま手を振って華武のメンバーがが来た方向に
走り去っていった。

「だそうだ、行くぞ」
「「「「ウィース」」」」

華武は犬飼と辰羅川に構わずに歩き出す。

「さんはどうやら華武野球部の良心らしいですね」
「同感だ」

犬飼と辰羅川もしばらくしてから教えられた道を歩いていった。

「でもあの有名な黒蝶に会えるとはサプライズでしたね」
「だよな。もう2年近く消えてたんじゃなかったか?」

ソフト出身の2人の会話を華武は誰一人聞いていなかった。