11 「まだそんな所でチョロチョロ蠢いていたのか牛尾御門」 「フッ相変わらずその子供じみた趣味は変わらない様だね 屑桐無涯」 「あの朱牡丹先輩、何故この様な事態になってしまった のでしょうか?」 不穏にどろどろした空気が流れているよ。 あの金髪の人はキャプテンっぽいらしいけど、屑桐先輩の 折り紙を知っているってことは知らない仲ではないだろうし。 「俺も知らなさ気だよ」 「屑桐…奴は王者華武の不動のエースで牛尾とは中学時代 のチームメイトだそうだ」 あ、羊のおじちゃんが説明してた。 そっか中学の…友達とは言えないよね。 「十二支とかいう死に体の高校に行ってからめっきり噂を 聞かなくなったもんでな、どうしたかと思えば今度は弱い 高校を潰し歩いている層じゃないか。 笑わせてくれる」 「屑桐先輩」 「何だ」 急に会話に割って入ってきたのを奇妙に感じながら屑桐は に向き直った。 「私の前で十二支の暴言は止めて下さい」 「お、良い奴か!?」 「そうだそうだ十二支を馬鹿にすんじゃねー!」 後ろから十二支の人から声援がくるが、ゴメンアナタ達 のためじゃないのよ。 「どうしたんだべちゃん」 「なんかある気なの?」 「私の父達の母校だったり知り合いの多い学校なので」 先輩達に問われ、ぶすっと膨れながらはそう答えた。 「ほぉーあの我侭娘が親孝行な事言えるようになったもんだな。 村中と司さんに聞かせたいもんだ」 タバコを手に持って羊谷はカラカラ笑った。 「お義父さんはできても父さんは無理じゃない」 「そうだがな、あの人なら天国から聞いててもおかしくねーぞ」 「あの、監督。話の理解が私共には及んでいないのですが」 「村中ってあの村中大打者のことっすか!?」 「ってか、お父さんと父さんって…」 牛尾の質問を皮切りに華武・十二支双方からざわめきだった。 「私戸籍の名前村中なんですよ。 私4歳になるちょっと前に両親亡くしまして親戚の村中家 の養子になったんです。 村中の父も生みの父も十二支でした」 すらりと真実の爆弾が落とされた。 そして周りが異様なほど静まり返った。 「……あ、そのそれは悪い事を聞いてしまって済まなかったね」 「謝らなくてもいいですよ、牛尾さんでいいんでしたっけ?」 「その通りだよ。まったく、こんな素敵なレディーを女性の 扱い方も知らない屑桐のそばに置いておくなんて、今からでも 遅くない!十二支に転校してこないかい!?」 牛尾はの両手を握ってそう提案するのだが。 「私途中から乗り換えるのって好きじゃないのでごめんなさい」 見事に切られた。 「から手を離せ。 コイツはお前が手を触れてもいいような奴じゃない」 「女性をコイツ呼ばわりとはやはりその失礼 な所も変わっていないらしい」 「フハハでは急に婦女子の手を握るのは失礼ではないと? 都合の良い礼儀だな」 「……私、どうやって出ればいいんだろう」 前方には牛尾がいて後方には屑桐がいる。 出るに出られない状況だ。 「では1球でカタをつけてやる! その1球ですべてを分からせてやる」 「望む所だ」 「えっ!?何時の間にそんな展開に!? 屑桐先輩監督に叱られますよ」 「今のうちに不穏分子を潰しておいたとでも言えば平気だ」 「不穏分子?」 「ちゃん気づいてないング」 「俺らちゃんに近づく悪い虫片っ端から退治してる気 なんだけどね(^_^;)」 は感覚が鈍いとは言えないが、自分の好意にはとん と気づかないのかもしれない。 まだ続く。 12 華武vs十二支の主将対決、結果は? ズパアァン キャッチャーマスクをつけているは顔面目前で五光 をミットに納めた。 「アウトですね」 立ち上がってマスクとプロテクターを取りながら何の 感慨もなしにはそう告げた。 「お疲れ様屑桐先輩、ちゃん(^^)」 「男と男の決闘終わりング。さっさと帰るべ」 「そうですね。そういえばまだ御柳君帰ってこないけど どうしたんでしょうか?」 「ミヤなら先帰るってどっかいっちゃった気」 華武側はそんな他愛もない会話をしている中、十二支は? 「ちょっと待ちやがれカブ野郎共!!」 突然大声で呼ばれて私たちは後ろを振り向くと。 「このスットコドッコイの根っこ共! カブよりも大根よりもなニンジンの方が馬は喜ぶんじゃボケー!!」 リアル馬仮面かぶった男児がニンジン生で食してました。 「な、何これ?」 「変態ング!!ちゃん俺達の後ろに隠れとくべ!!」 さっと久芒がの前に出てリアル馬面から遠ざけた。 「馬鹿は死ね。低俗すぎて付き合ってられん。帰るぞ」 「「「「「ハイ!」」」」」 十二支の面々が猿野をリンチしている間に華武はそこから 去っていく。 「では失礼します十二支の方々」 もそれに着いていき、残されたのは十二支と ずっと落ち込んだままの卍の生徒だった。 * 「はぁ?来週試合を組んでくれ!?」 電話の先は羊谷。風呂に入って出てきたら丁度良くかかってきた。 『おう。今のうちに華武さんと一試合しておきたいんだよ。 な、頼む』 「ふざけんじゃないわよ。そんな急には無理 『村中に例の件バラすぞ』 「……菖蒲監督に相談してみます」 『素直でよろしい』 「兄ちゃん、何かがすっげー落ち込んでんぞ」 「ひとまずそっとしておくのだ由太郎」 壁に額を押し付けてフフフと力なく笑うは異様な オーラを出していた。