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「先ほどの女子生徒か。我が野球部は人手不足故歓迎する」
ちょっとポロリと漏れた一言で早くも面接の段階まで
きてしまいました。
「…と、言いたいところではあるが、他に希望者もいる
為その者達と共に試験を受けてもらう故」
「分かりました。その試験はいつから?」
「今日の放課後2軍の練習場にて行う」
早すぎだろ!!
そして都合上放課後。
集まった女子は30名ほどだろうか。
体育着を着て集まっては見たものの誰に話を聞い
ても試験内容は分からなかった。
そして数分すると屑桐先輩がやってきた。
その後ろから知らない野球部員が野球道具各種を運んでくる。
「俺が主将の屑桐だ。これから1次試験を始める」
受験者である女子たちがざわめいた。
1次ということは複数の試験が設けられるということ
になるからだろう。
「え〜めんどい〜」「キャー屑桐先ぱーいv」
「静かにしろ!!」
様々な会話が入り乱れて屑桐先輩の活が入った。
「やる気のない奴は即刻帰れ。邪魔なだけだ」
屑桐はイラつきながらそう言い放った。
ま、その通りだと思います。
特に屑桐先輩は練習やりたいのにこんなことに
借り出されてるんだろうし。
そして何人かが逃げるようにその場を去った。
話をまとめると1次試験は体力テストでグラウンドを10週。
上位10名が2次試験だそうだ。
「……遅いですね」
「そうだな」
私は1番に走り終わって残りを屑桐先輩と並んで待っている。
「が速かったのは事実だが、他も遅すぎる」
「5週くらいの方が早めに決着ついたのでは?」
「来年からはそうするように言っておくか」
の提案を聞いて屑桐は軽く頷いた。
1次試験なんなくクリア。
8
「2次試験はバッティングをしてもらう。
1人3球で1回でも当たれば合格だ」
10人合格が決まって屑桐先輩はマウンドに立ってそう言った。
これにはさすがに私も驚く…てか普通に嬉しい。
久々にバットを握れてしかもその相手は県NO1ピッチャー!
これを喜ばないバッターがどこにいると!?
「先ほどの着順でしていく。まずは、お前からだ」
「はい!」
後ろからは気の毒そうな視線を送られてるが、そんなのは
気にしない。
ヘルメットをかぶって、打席に立った。
「お願いします」
「一応直球のみでやるから安心しろ」
ドキドキしているのを勘違いしたのか?
屑桐は投げる姿勢に入った。
手を上げて、腰をめいいっぱい捻る。
トルネード投法か!!
キイイン
球はバットに弾かれてセンター後方あたりで跳ねた。
「ウソだろ…」
キャッチャーをしている人が唖然としてそう呟いた。
力を抑えているとはいえ、まさか女子に飛ばされるとは
考えもしなかったらしい。
「屑桐先輩、2球はもっと力こめて構いませんよ。
はっきり言ってもっと打ちたくてうずうずしてるんです」
「駄目だ」
はっきりと言い切られてしまって、今度は私が唖然とした。
「もうお前は合格だ。次はもっと本気を経験させてやる。
今日は我慢しろ」
「はーい分かりました」
ヘルメットをはずしては残念そうに打席から離れた。
「……そちしか残らなかったか。
しかし力を抑えていたとはいえ屑桐を打ち取るとは天晴れ故
これからは更に精進に励むよう」
「はい。これからよろしくお願いします」
野球部入部合格。
「ね?言った通りでしたでしょ先輩方」
グラウンドの隅っこでマネの入部試験を覗いていた
朱牡丹・久芒・御柳・帥仙・桜花に墨蓮はそう誇ら
しそうに言った。
「やるかもとは思ったけど、ホントに打つとはな。
流石俺の」
「誰もミヤの彼女だなんて認めてなさ気(`´#)」
「だっけあの女。面白いのがマネになるな」
「部活がもっと楽しくなりング」
「ぶはは、屑の字も酷いの。との決着をつけられん
かったかろぉて荒れる事はないじゃろうに」
それぞれ勝手な感想を言っている。
それでもの入部は大歓迎のようだ。
さて、埼玉県王者華武に降り立った黒蝶はどのような
活躍をするのか。
それは見てのお楽しみ。