3
「あ〜屑桐さんやっときた気(`0‘)」
「今日はずいぶん遅かったング」
グラウンドで先に練習を始めていた後輩に窘められて
屑桐は素直に謝罪した。
「少し話し込んでしまってな。すまなかった」
と言ったか…。
屑桐が思い出すのはサラサラと風になびく綺麗な髪と伏せ
気味の濃い緑の目。
緑の目は思い出したくもない奴と同じであったのだが、
不思議と惹き付けられる気がした。
否、問題はそこではない気がする。
そうだ、怖がられなかった。
彼女、は俺を見ても嫌な目線を向けなかった。
「おーい屑桐先ぱーい。駄目だ聞こえてなさ気( ̄ ̄;」
朱牡丹は急に黙り込んだ主将に声をかけているのだが、
反応は一向に返ってこなかった。
「何してんすか先輩」
「あ゛、御柳。屑さんがおかしいべ」
「は?どうして…ってあっ!ー!!」
御柳は突然言葉を切ってグラウンドのスミの通路を通って
いたへ手を振った。
そして練習なんぞ放っての側まで走る。
「突然どうしたんだよ。俺の勇姿でも見に来てくれた?」
「あ、御柳君。
違うんだけどさ、ここに屑桐先輩って人いる?」
はフェンスの金網に手を掛けながら御柳にそう聞いてきた。
「いるけど…もしかして浮気?俺というもの
がありながら!?」
「浮気じゃないし、御柳君とも付き合ってないわよ私は」
誤解を招く事言わないでよね。
「あの子誰ング?」
「ミヤと同じクラスのちゃん気だよ。
綺麗な子だって有名だから」
「?」
屑桐はそこではっと正気に戻った。
「あ、屑さんが元に戻リング」
「屑桐さん何か呼ばれてる気みたいですよ」
朱牡丹は手招きしている御柳を指さした。
「行ってくる」
「俺等も行くべ」「賛成ー(^−^)v」
4
がグラウンドに来てくれて上機嫌な御柳だが、
何故屑桐とが知り合いなのか検討もつかなかった。
屑桐がこちらに歩いてくるのを確認してへとまた顔を
向ける御柳。
「ってか何時の間に知り合ってた訳?」
「つい2・30分前だよ。初めて野球部の練習場所見た
けど広いね」
「何たって県下No1だからな。設備も金使えるし」
御柳の言葉はに半分ほどしか聞こえてない。
いいな…私も、やりたいな。
でも、それは許されないから…。
胸を絞られるような痛みが走る。
は制服の胸元をぎゅっと掴んだ。
その内に屑桐、そして後ろからついてきた朱牡丹と久芒が
と御柳の前までやってきた。
「こんにちは屑桐先輩…えっと、御柳君、屑桐先輩の後ろの
人たちも先輩でいいんだよね」
知らない人なので確認を御柳にとると肯定の頷きが
返ってきた。
「正解。麻黒の人朱牡丹録先輩・マフラーの人久芒白春先輩。
ちなみにどっちも2年」
「解説どうも。朱牡丹先輩と久芒先輩は初めまして。
1年のです」
は軽くお辞儀して挨拶をする。
朱牡丹と久芒はつられて同じように軽いお辞儀をした。
「あんま畏まらなくてもいい気だよ(^皿^)
よろしくねちゃん」
「よろしくング」
「はい。あ、屑桐先輩に用事だったのは桜花先輩らしき人
はいなかったので一応報告だけはしておこうかと思って」
ここで御柳と2年コンビが成る程と謎を解決させた。
桜花を探すのにに訪ねたとしたら、それなら合点がいくと。
「そうか、手間をとらせてすまなかったな」
「いいえ。どうせ暇人ですから」
「だから野球部のマネしろよ。絶対甲子園のベンチ座ら
せてやるからさ」
教室と同じ会話が出てきては疲れたため息を吐いた。
「まだ大会始まってもないよ。
それに無理だって何回も言ったじゃん。
諦め悪い人嫌いじゃないけど、これでは諦めようよ」
「え〜先輩達も言ってやって下さいよ。
かなり使える好物件ですよ。仕事速えーし野球詳しいし」
「それは本当か御柳?」
屑桐はキラリと目を光らせた。
「マジっす。掃除とかも得意なのは俺以外にもスミが保証して
くれますよ。しかもマッサージとかできるらしくてこれはマネ
にする以外手はないと…「しない」
は大きな声を出して御柳の言葉を止めた。
「野球部って忙しいから手が欲しいのは知ってる。
でもホント野球に関われないの。許されないの。
だから…ごめんなさい」
はそう言って4人から離れた。
最後に泣くかと思ったほど悲痛な様相はチクリと胸を刺す
痛みが起きた。
「許されないってどうして気?」
「ちゃん自身はやりたいって事ング?」
謎は増えるばかり。