名言シリーズ(蛇神Ver)




「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如し」

「徳川家康ですか」


は素早く蛇神の言った名言と呼ばれる言葉の出自を明かす。

その言葉と一緒に球の詰まった箱を蛇神に手渡した。


只今倉庫の在庫確認中。

男手が欲しかったので近くにいた蛇神に頼んだのだ。


「有無。流石は約300年もの時代を創始した者の言葉也」


確かめた道具を仕舞っていく蛇神。高い位置に仕舞う物は

の身長では届かないとすぐに察して手を貸してくれている。


「1603年〜1867年ですから264年ですか。

江戸時代は世界的にも長寿な時代ですよね」


「その時代の創始者、家康は100年続いた戦国の世の

数々の武将から土台を受け継ぎ、その世を作りあげた也」

「土台を作るのが一番大変で、一番大切な作業ですからね」

「……我ら十二支は、土台を安定させる事が出来ているだろうか」


ぽそりと蛇神の口から漏れた弱きともとれる台詞。

は、思わず作業の手が止まってしまった。


「出来てます。私が保証します。先輩達が3年まで我慢してくれた

時間は、間違いなく大きくて強くて頼もしい土台になっています」


は強い言い切りの言葉が簡単に言えた。

それを確信しているからこそすらりと言葉を紡げた。


「その土台があったから私や監督はちょっと無茶かなと思う課題も

貴方達に与える事が出来るんです。自信持っていいです。

2・3年の先輩達があってこそ今が強くなれます」


はしっかり蛇神を見て本心を伝えた。

蛇神は数秒の沈黙後、フッと笑った。


殿、感謝する。お主がいるからこそ、

我らは強くなるために歩くべき道を見つける事が出来た」


「私も有難うございます。貴方達に会えたから

また野球を楽しめています」


と蛇神は一緒に笑いあった。

お互いに感謝できる今が生涯大切なものへ

となるだろうと思えたから。




END