それぞれの思い





『ここでいいです。今日は楽しかったです。ありがとうございました』


はそう言って俺達から離れて行った。


その後姿は、追いかけて後ろから捕まえてしまいたい衝動を起させる。


「俺って、こんなに女に執着する奴だったっけ?」


御柳は帰り道に空を見上げると、埼玉でしかも夏に


向っている割には多い星空を見る。


「ちっちぇ光だな」


あんなのが、太陽のように光り輝いてるとは、到底信じられない。


「でも、は、太陽より、月だな」


大きな満月は、夜空の主役だろう。


野球をしているは、当に太陽と例えて差し支えないだろう。


でも、今日のように優しく笑いかける姿は、本当に女の魅力を感じる他なかった。


全く反対に思える太陽と月。


お互いの良いところが悪いところを補い合うように。


はそれを同時に持ち合わせている。


「だから、惚れたのか?」


いや、何か違う。


の側はメッチャ気持ちが良いんだよな」


あの側にずっといたい。


「どうやったら、側にいさせてくれるのかねー」


難関不落。


あいつの競争率は、10や20で納まるのだろうか?


少なくとも、華武と十二支だけでそれは越してしまいそうだ。


「必ず、手に入れてやる」


俺は諦めが悪いんだよ。


覚悟しろよ、


俺を惚れさせたのが運のツキだ。











『あんな位でどうかなる程柔な人間じゃないですよ』


ちゃんが強い事は、華武の人間が全員知る所だべ。

でも、ちゃんは、強いだけの人じゃないング。

オラの鼻を嫌がらずにかんでくれるし、ミヤが抱き付いても

早々は怒らない。器が大きいって云うのがいいング。


「こんな気持ちが恋っづーのかなぁ」


一緒にいると、本当に嬉しくて、


ミヤがちゃんに張り付くと無性に腹が立つ。


嫉妬する。


ぢゃんが、誰か1人を選んだら、嫌だべ」


それが自分であれば、どれ程嬉しいのだろう。

それが、他の者であるならば、どれ程その相手に嫉妬するのだろう。


「屑さんですら、ちゃんと話してると割り込みだくなるのに」


ちゃんと一緒にいたいのはオラだけじゃないのは知ってリング。

それを押しのけても、隣に、その笑顔を向けて欲しいング。


「嫌な人間になっだなぁ」


それでも、諦められないング。

ゴメンネ、ちゃん。






「いっぱい写メ撮れた気(^V^)

ちゃん来てくれて今日はラッキー気だったね」


自分のノーパソとケータイをいじってドンドン写メを


保存していく朱牡丹。それは、大体がのものだ。





ちゃんは変わってる気。


俺は華武の敵は大嫌いなのに、ちゃんは十二支だから

敵気なのに、嫌いになれない気なんだよね。


最初は、監督がどんな手を使っても華武に入れると思ったから

敵にならないからだと思ってたから気だけど、

俺もちゃん好きなんだろうな。


元々、女の子は好き気だけど、ちゃんの好きは

比べるにしては大きすぎる気だ。


「一目ぼれっていうのかな(?.?)」

会った時から、仲良くしたいと一発で思った。

「うっしゃ!!たとえ屑桐先輩がライバルでも

負けない気だし!!」


そん位で諦めてたら華武野球部の1軍の名が泣く気だね!!



「頑張ってちゃんともっと仲良くなる気!!」


ちゃん、色々な高校の情報欲しがってたから、

横流ししちゃおうかな?


その位のズルはありだよね?


なんたって1人しか選んで貰えない場所を争ってる気なんだからさ!!










それぞれに考え方は違うけれど、1人の女を求める気持ちに偽りなない。


まさしく情熱そのものの恋。


これが、どんな結果を呼ぶのかは、例え神でさえも知るものではないのだろう。
















++コメント++

思っていたよりも長くなりました。

『黒蝶伝説』番外アンケート2位獲得の華武高校。

主要4キャラで済ませました。

偽者たっぷり作ってごめんよ。

無汰君と無二子(仮名)ちゃんはミスフル10or23巻参照。

面白かったら拍手に感想もらえると嬉しいです。


BY紙屋水樹