それぞれの思い
『ここでいいです。今日は楽しかったです。ありがとうございました』
はそう言って俺達から離れて行った。
その後姿は、追いかけて後ろから捕まえてしまいたい衝動を起させる。
「俺って、こんなに女に執着する奴だったっけ?」
御柳は帰り道に空を見上げると、埼玉でしかも夏に
向っている割には多い星空を見る。
「ちっちぇ光だな」
あんなのが、太陽のように光り輝いてるとは、到底信じられない。
「でも、は、太陽より、月だな」
大きな満月は、夜空の主役だろう。
野球をしているは、当に太陽と例えて差し支えないだろう。
でも、今日のように優しく笑いかける姿は、本当に女の魅力を感じる他なかった。
全く反対に思える太陽と月。
お互いの良いところが悪いところを補い合うように。
はそれを同時に持ち合わせている。
「だから、惚れたのか?」
いや、何か違う。
「の側はメッチャ気持ちが良いんだよな」
あの側にずっといたい。
「どうやったら、側にいさせてくれるのかねー」
難関不落。
あいつの競争率は、10や20で納まるのだろうか?
少なくとも、華武と十二支だけでそれは越してしまいそうだ。
「必ず、手に入れてやる」
俺は諦めが悪いんだよ。
覚悟しろよ、。
俺を惚れさせたのが運のツキだ。
*
『あんな位でどうかなる程柔な人間じゃないですよ』
ちゃんが強い事は、華武の人間が全員知る所だべ。
でも、ちゃんは、強いだけの人じゃないング。
オラの鼻を嫌がらずにかんでくれるし、ミヤが抱き付いても
早々は怒らない。器が大きいって云うのがいいング。
「こんな気持ちが恋っづーのかなぁ」
一緒にいると、本当に嬉しくて、
ミヤがちゃんに張り付くと無性に腹が立つ。
嫉妬する。
「ぢゃんが、誰か1人を選んだら、嫌だべ」
それが自分であれば、どれ程嬉しいのだろう。
それが、他の者であるならば、どれ程その相手に嫉妬するのだろう。
「屑さんですら、ちゃんと話してると割り込みだくなるのに」
ちゃんと一緒にいたいのはオラだけじゃないのは知ってリング。
それを押しのけても、隣に、その笑顔を向けて欲しいング。
「嫌な人間になっだなぁ」
それでも、諦められないング。
ゴメンネ、ちゃん。
*
「いっぱい写メ撮れた気(^V^)
ちゃん来てくれて今日はラッキー気だったね」
自分のノーパソとケータイをいじってドンドン写メを
保存していく朱牡丹。それは、大体がのものだ。
ちゃんは変わってる気。
俺は華武の敵は大嫌いなのに、ちゃんは十二支だから
敵気なのに、嫌いになれない気なんだよね。
最初は、監督がどんな手を使っても華武に入れると思ったから
敵にならないからだと思ってたから気だけど、
俺もちゃん好きなんだろうな。
元々、女の子は好き気だけど、ちゃんの好きは
比べるにしては大きすぎる気だ。
「一目ぼれっていうのかな(?.?)」
会った時から、仲良くしたいと一発で思った。
「うっしゃ!!たとえ屑桐先輩がライバルでも
負けない気だし!!」
そん位で諦めてたら華武野球部の1軍の名が泣く気だね!!
「頑張ってちゃんともっと仲良くなる気!!」
ちゃん、色々な高校の情報欲しがってたから、
横流ししちゃおうかな?
その位のズルはありだよね?
なんたって1人しか選んで貰えない場所を争ってる気なんだからさ!!
それぞれに考え方は違うけれど、1人の女を求める気持ちに偽りなない。
まさしく情熱そのものの恋。
これが、どんな結果を呼ぶのかは、例え神でさえも知るものではないのだろう。
++コメント++
思っていたよりも長くなりました。
『黒蝶伝説』番外アンケート2位獲得の華武高校。
主要4キャラで済ませました。
偽者たっぷり作ってごめんよ。
無汰君と無二子(仮名)ちゃんはミスフル10or23巻参照。
面白かったら拍手に感想もらえると嬉しいです。
BY紙屋水樹