20.今、終わりが来ると言うのならば。(D-Graymanラビ夢)
「ラビなんて嫌いだ〜」
「それはひどいさ」
言っている内容と裏腹に二人は笑いあっている。
ラビはによりかかるように背中を預け、本を読む。
はスケッチブックとペンを持って何かを書いている。
暖かい日差しと風のない絶好の日。
いつもの喧騒を忘れてのどかな雰囲気がここで流れている。
「んで、今回は何描いてんさ?」
「あのねー、AKUMA対策用の防護壁だよ」
のイノセンスは手に持つペン『トリックトリックアート』
彼女がそのペンで描いたものは時間設定付きでこの世に実体化する。
例えばラビの槌を描けばはその槌と瓜二つで能力も
写し取った槌を作りだせるのだ。
はリナリーと同じように親を失い、
そして適合者と判明してこの黒の教団に連れてこられた。
はこの教団が嫌いじゃない。
餓える心配もないし住む場所も与えられ、
この教団にいる人も好きだ。
でも、ここではいつ死が来てもまったくおかしくない場所でもある。
も伯爵を倒すためにいつか命を落とすかもしれない。
いや、大切になった人がいつ命を落とすかがわからないのが
一番怖いのだ。
「ここで終っわちまったさ」
ラビは読んでいた本をパタンと閉めた。
「何読んでたの?」
はスケッチブックにペンを走らせながら
聞いてみた。
「どこにでも居そうな恋人の駆け落ち話。
最後は崖から身投げして一緒にさよならさ」
「自分達で終わりにしちゃうんだ」
「終わりを自分達で決めたかたってことさね。
分からないでもないな。特に俺達は……。
最後の最後まで足掻いてやろうぜ」
伯爵の終焉劇から。
故意に作られる悲しい物語から。
「当たり前のことだね」
自分達の終わりを決めるのは私達。
終わりは今じゃない。
今死ぬなら最後まで足掻いて引っかきまわしてやる。
私達の世界を、壊させやしない。
+++コメント+++
初D-Grayman夢。
最初、この話はラビ相手じゃなくて神田だったりしました。
でも雰囲気的にラビっぽくなってきたので急遽変更。
今度こそ神田もしくはアレンを!!