19.君の居た世界と僕の居る世界。

D−Grayman 神田夢




球体のアクマがわんさか溢れて手当り次第にキャノンを乱射してゆく。

それをみると知性の低い存在であると改めて確認した。



神田は六幻を抜刀し、私は私の対アクマ武器である扇を取り出した。


「数は15でうち2体がレベル2だよ」

「つくづく便利だなお前の目は」

神田は感情を特に込めた様子もなくそう言葉を返した。

のイノセンスは別に目に関係するものではない。

それでもこの目は重宝される。

遠くまで見渡せる目。

でも、手を伸ばせないものまで見える目。


「生まれた時からの能力だから仕方ないの。死ぬなよ!!」


は棄て吐いて大地を蹴り上げた。


「誰に言ってやがる!!災厄招来、界蟲“一幻”!!」

「斬空刹破!」


2人は近くのレベル1をことごとく破壊していく。

黒の長い髪を躍らせて刀を振るう神田と、
赤い肩につくくらいの髪を扇の風でなびかせる


「敵さんのまとめ役そっちに行った!任せていいよね!?」

「当たり前だ!雑魚はテメエで片付けろ!!」

「合点承知!!」


戦闘が好きというより、神田と背中合わせで戦えるのが好きだった。

多分、もう期間は残りわずかなんだ。

私は元いた世界に帰らなくちゃだってわかる。

私はこの世界でない場所で生まれた存在だから…帰らなくちゃなんだ。

もう、伯爵の歪みはどちらにしても終幕するだろうから。


「これで、終わりだよ!!」


は扇を力一杯奮って最後のアクマを破壊した。


鮮血の様な深紅の髪は私が異能の一族である証。

イノセンスの適合者だったのもこれに深く関係しているのだろう。


「終わった?」


はくるりと神田に向き直る。

神田はしかめっ面のまま私の問いに頷いた。


「ああ。イノセンスも手に入れたしな」

「じゃ、疲れたから帰るよ」

「俺に命令するな

「ケケケ、神田が捻くれてるからそう聞こえるだけだよ」


私はこの世界を現実として受け入れられないだろう。

私の世界と違う、異能を持つ者が近くにいるこの世界を。

帰りたくないよ。

まだあの塔の皆と一緒に戦いたい。

神という存在がいるなら聞いてくれ。

私はアナタの本当の使徒なのかは知らないけれど、

アナタの使徒ともっと一緒にいさせてくれと。


「無理だけどね」

「何か言ったか?」

「空耳っしょ。さーて帰ったらアレンと大食い競争でもしてみるかな」

「止めとけ」


時と空間の交差するこの世界。

さあ、タイムリミットはもう少し。




END


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連載しようか迷ったけど美味しい場所だけとって
短編に持ってきました。
神田好きです〜(^^)
ちなみに20のラビヒロインもこの世界の住人です。

by紙屋水樹