#6
只今試合直前準備中。
まずは十二支サイド。
「慎重ね辰君。もう眼鏡用意しておくんだ」
例のパラサイト眼鏡でないか恐る恐る確認してしまう。
「はい。やはり相手が相手ですし、場合に
よっては残りの球も使うでしょう」
ちゃんと普通の眼鏡だと分かって胸をなで下ろしながら
辰羅川の意見には賛同の意を示す。
「そうね。何としても点を取らせないよう
細心の注意をしなくちゃ」
そして一方のセブンブリッジ側といえば?
「さて毎試合恒例のトランプでひとつこの試合
の行方を占ってやるかのう」
東蘭風監督のよく分からないトランプ占いが行われていた。
「アイヤーまた老師のヤマカン占いネ」
ワンタンが両手を頭に持って行って拒否反応を
示した。他の選手といえば…?
「あ、ほらほらあの色黒の1年君が先発みたいだよ。
楽しみだね〜」
主将鳥居剣菱は全く相手にしていない。
紅印を挟んで隣の影州なんか欠伸までしている。
「ちょっとぉ〜誰か監督のお相手してあげないと
またパンプアップ始めちゃうわよ」
唯一相手にしている紅印もあまり関わりたくない
のが本音のようだ。
「ま、占いはそろそろここまでにしておくかの。
客観的に見ても十二支は昨年とは比べられぬほど
レベルアップを果たしておる。
監督が代わったのも大きいとは思うが、黒蝶の存在は
それを上回っておるかもしれんぞ」
選手全員が監督の話に真摯に目を向けた。
「黒蝶はお主等と無関係とは言えん存在じゃからのう」
ほっほっほと笑う東蘭風監督に怪訝そうにして
富豪が会話のきっかけをつくる。
「俺は黒蝶っつったってビデオと遠目に1回見ただけだぜ?
選手としては凄いけど、育てる方までは分から
ないんじゃないか?」
剣菱は富豪の疑問に首を振ってから答えた。
「凪から聞いてる限りはちゃんは選手としてだけでなく、
トレーナーとしての才能も併せ持っているのは確かだと思うよ。
十二支のレギュラーに1年が多いのもその辺結構深いと思うな〜」
「剣ちゃんに同感だわ」
「同上」
紅印が頷いて、霧咲も共に頷いた。
彼らが頷く、それだけの力を見てきているということだ。
「そういう訳じゃ。決して気を抜かずに勝利を
勝ち取ってこい」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
表はセブンブリッジの攻撃。
十二支はそれぞれの守備位置に足を踏んだ。
『十二支高校先発のマウンドに立つのは1年犬飼冥君』
マウンドに堂々と立つ犬飼の背に声高い黄色い声援
が降ってくる。
「犬飼きゅ〜んいつになったら私をお嫁に
もらってくれるの〜〜?」
「もうベビー用品もマタニティグッズも買い揃えて
待ってるのに〜v」
「気ィ早ッ!!」
はいつものようにスタンドを陣取る犬飼きゅんを
地獄の底まで追っかけ隊の台詞にビックリする。
「犬君まだ15だよね?結婚無理よ!?
まぁ自身も相手も結婚年齢達しないと子供生んじゃ
いけないとかそういう法律はないけど…」
それにしてもその為のお金は無駄だと思ってしまうよ。
NEXT